◆相談の背景
事業者様は、字を書くことに強いコンプレックスを抱える人々を対象に、ペン習字・書道の専門指導を行う小規模事業者です。代表者は1994年より書道指導を開始し、延べ数百名以上に美文字指導を行ってきました。
美文字指導の過程で、『字の上手・下手は才能ではなく技術である』という確信に至り、誰でも再現性高く美文字が書けるようになる、独自の指導法『動きのメソッド(商標登録済)』を確立しました。現在は、マンツーマン指導を中心とした高品質なサービスを提供しています。
同社からの相談は、『事業の将来を見据えた集客の仕組みを作りたい』というものでした。サービス品質や顧客満足度には強い自信を持っている一方で、新規顧客の獲得は、クチコミに依存しており、持続的な事業運営の観点から新たな集客ルートの必要性を感じていました。
それまで、ホームページ制作会社によるHP構築、自身でのSNSへの挑戦、動画制作会社への外注など、様々な取り組みを行ってきましたが、求めた成果を得ることができず、道に迷っていました。
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課題 ・ペン習字・書道という専門性の高い分野であり、SNSなどの短文・断片的な発信では、サービスの本質や指導価値が伝わりづらい状況でした。 ▶小規模事業者のため、時間・人材・資金といった経営資源が限られている ・従業員1名体制の中で、継続的な更新作業や高頻度の発信を前提とした施策は大きな負担となります。 ▶事業者本人の強みをより活かす観点から、発信手法の見直しが考えられる ・「文章を書くことは得意だが、頻繁な情報発信やITツール操作は苦手」という意識があり、SNS運用が精神的な負担になります。 ▶外部業者や流行に振り回され、主体的な判断が難しくなっていた ・過去の外注や流行施策で成果が出なかった経験から、「次に何を選ぶべきか分からない」状態に陥っていました。
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提案 ・専門性が高く短文発信では誤解されやすいため、独自メソッドや指導思想を一貫して説明できる電子書籍を集客の軸とし、これにより、初見の顧客にもサービスの本質が伝わる形を整えました。 ▶「一度作れば継続活用できる」集客手法を選択 ・継続的な更新や運用を前提とする施策は、1名体制では長期的な負担になると判断しました。一度制作すれば活用し続けられる施策に集約することで、事業として無理のない運用構造を整えました。 ▶事業者の強みである「文章力」を最大限活かす施策に集中 ・頻繁な発信やツール操作は本人の特性と合わないことが分かり、無理に続ける方針は取らずに文章で価値を伝える力(=強み)を活かす形に整理することで、本人が納得して取り組める状態としました。 ▶施策選定の判断軸を明確化し、主体的に選択できる状態へ整理 ・流行や外部提案に左右されていた状況を踏まえ、「強みを活かせるか」「継続可能か」という基準を整理し、自ら判断できる状態へ立て直しました。 |
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見込まれる効果 ・電子書籍という形で指導理念や独自メソッドを整理して発信することで、地域や口コミに依存しない認知獲得が可能となり、専門家としての立ち位置が明確になります。 ▶事業者自身が無理なく継続できる集客モデルの確立 ・頻繁な更新や運用を必要としないため、日々の指導業務に支障をきたすことなく、安定した集客が見込まれます。 ▶価格競争に巻き込まれない、独自性の高いサービスへの誘導 ・強みを活かした発信により、価格ではなく「考え方・指導価値」に共感した顧客とのマッチングが可能となります。 ▶外部業者への過度な依存を減らし、自立した事業運営の実現 ・「なぜこの施策を選ぶのか」を言語化できるようになり、今後の施策選定においても、自ら判断できる状態が整います。
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◆解決に向けての伴走支援

◆展望
▶今後は、電子書籍を起点とした集客を進めながら、体験サービスや短期コースなど、段階的なサービス設計を進めていく予定です。
事業者様が本来注力すべき『指導品質の向上』と『顧客満足』に集中できる環境を整え、無理のない形で事業を成長させていくことが、持続的な経営につながると考えています。
◆相談者様から一言
| 公社様のデジタル活用相談につきましては、県の事業者支援情報検索アプリで知り、会社の経営について相談させていただきました。 これまで当教室はマンツーマン指導を中心としており、口コミで多くの方にお越しいただいておりましたが、新規、本当に字を上手くしたいと願う方に知っていただくための方法についてご相談いたしました。 当社の指導は「動き」から文字を整える独自の内容であるため、SNSでは本質が伝わりにくく、また誤った形で模倣されてしまう可能性への不安もありました。そのような課題に対し、電子書籍という形で正しく伝えていく方法をご提案いただきました。 川村コンシェルジュには、多角的な視点から具体的かつ的確なアドバイスをいただき、大変感謝しております。今回のご支援を通じて、今後の展開に大きな可能性を感じております。 |
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◆担当したDXコンシェルジュから一言
| 事業者様のサービスは、非常に専門性が高く、かつ社会的意義の大きい、素晴らしい事業です。一方で、その価値が伝わりにくいという「ニッチ事業ならではの難しさ」を強く感じました。
重視したのは、事業者様ご本人が無理なく続けられる方法を見極めることです。当初は、SNSや動画などの取り組みにチャレンジしましたが、最終的に「文章を書く力」という当社の強みを最大限活かした電子書籍という選択にたどり着けたことが、大きな成果であると考えます。 小規模事業者にとって重要なのは、限られた経営資源を、自身にマッチした最も効果の出る方法に集中させることです。当社の事例は、その重要性をよく示していると感じています。 |
川村コンシェルジュ |


