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株式会社 川口福祉サービスの取組事例

携帯電話とノートPCを全スタッフに貸与 ~オンラインシステムの導入でテレワークを大幅拡大~

株式会社 川口福祉サービス

業種

  • 生活関連サービス業
  • 医療・福祉

取り組みテーマ

  • IT活用

活用した支援

  • その他補助金活用
事業内容 居宅介護支援、訪問介護、福祉用具販売

Before/取組み前の課題

・利用者の自宅など現場仕事の多いスタッフが会社に戻って事務仕事をこなさなければならない
・スタッフ同士が接触することでコロナ感染のリスクが増す
・介護職の研修メニューを自前で用意しなければならない


After/取組みによる効果

・テレワーク、オンライン会議の導入で移動の時間を短縮できる
・スタッフのコロナ感染のリスクを減らせる
・オンライン研修システムの活用でメニューを用意しなくて済む

◆事務処理のため現場から事務所に戻る時間と負担をいかに減らすか

 川口福祉サービスは、川口市で在宅介護サービスを提供する介護事業者。利用者の相談に応じて介護プランを作成するケアマネジャー、ヘルパーを統括するサービス提供責任者ら30人が在籍する。スタッフはサービスの利用者宅など現場へ出向くことが多いが、その傍ら、行政などに提出する書類も作成する必要がある。そうした事務仕事は現場の仕事を終えてから会社に戻って行わなければならず、大きな負担になっていた。また約60人のヘルパー(パート従業員)を含むスタッフが集まって打ち合わせをしたり、業務連絡をしたりするのも時間と手間を要する作業だった。
2020年の初めから日本でも新型コロナウイルスの感染拡大が始まり、同年4月には政府が緊急事態宣言を発令。重症化リスクの高いお年寄りと日常的に接する同社スタッフは感染リスクを減らす必要に迫られた。
また介護職には定期的に研修を受けることが義務付けられているが、その研修メニューは事業者が用意しなければならない。研修メニューは多岐にわたるうえ、個々のスタッフに合った内容が求められる。日常業務をこなしながら詳細な研修メニューを作成する作業は会社にとってかなりの負担になっていた。

◆「柔軟な働き方」のための環境整備、まずはノートPCの支給から

 2019年9月、持ち運びに便利なノート型パソコンを全社員に支給した。直行直帰やテレワークを取り入れ、働き方改革を進めるのが狙いだったが、2020年の初めから日本でも新型コロナウイルスの感染が拡大。これにも後押しされ、同年5月に専用サーバーとセキュリティーシステムを導入。約200万円の経費のうち約150万円は国のテレワーク促進補助金で賄うことができた。同年7月には携帯電話を全社員に支給し、柔軟な働き方を可能にするための環境を整えた。
会議や打ち合わせはオンライン会議システムのズームを活用し、すべてオンラインで行えるようにした。社員やスタッフ間のコミュニケーションには企業向けビジネスチャットツールのLINEワークスを使っている。1対1でも、数人のグループごとでも自由にやり取りできるし、業務連絡は掲示板機能が便利。特定のスタッフに向けて発信できるし、誰が閲覧したかも確認できる。
今年4月からは動画研修システムを導入した。介護職に義務付けられた研修をオンラインで都合の良いときに受講してもらえる。約5000アイテムの研修メニューが収録されており、誰が研修を受講したかもチェックできる。
今年7月から会社の会計ソフトを入れ替えるのに加え、給与計算ソフトを新規導入。社会保険労務士に支払っていた年間の経費200万円の節約につながる。

◆生産性を向上させ、社会インフラとしての介護サービスを維持する

 ノート型パソコンの支給から着手したDX化について、藤江琢司社長は「環境もツールもほぼ整った。今後は使いこなし、習熟度を上げることが大事」と語る。テレワークの普及度は進んでいる部署で50%程度。在宅勤務も週2日などと目標を決めて取り組んでいる。DX化の効果は「集約すれば生産性が向上した」。今年4月の売り上げは前年同月比で7・8%増、5月は13・62%増。一部事業所を閉鎖したため社全体の2022年度の売り上げは微減となったが、残った事業所単位で比較すれば2・6%増だ。残業時間も以前は年間360時間を超えるケースも少なくなかったが、現在はかなり改善されたという。
藤江社長自身は様々な職種を経験し、昨年7月に現職に就いた。介護業界は初めてで、生産性の意識が薄いのに驚いたという。「目の前の利用者さんを一生懸命介護することが美徳という考え方。それ自体は間違っていないが、今は介護業界のフェーズが変わった。高齢者が急増し、介護の担い手が不足している中では生産性を追求しなければならない。柔軟に働くことができ、待遇も改善されれば人も集まり、社会インフラとしての介護サービスが維持できるはず」と将来を展望する。

 

株式会社 川口福祉サービス

所在地
〒332-0012 川口市本町3-3-8(本社)
URL
https://www.lac1.com/